勃起 (ぼっき)

勃起とは、様々な刺激によりペニスが起(た)つ生理現象のことを言います。一般的にペニスは、通常7~8センチくらいの長さですが、勃起をすると10~12センチほどに膨張します。また、勃起したときは、ペニスだけでなく「陰嚢(いんのう)」や「精巣」も上に上がってきます。勃起には「中枢性勃起」と「反射性勃起」の2種類あります。

中枢性勃起

中枢性勃起は心理的な刺激による勃起です。中枢性勃起では、女性の裸体を見たりエロティックな想像をしたりするなど、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、想像 によって大脳が興奮し、その興奮が脊髄の「勃起中枢(中枢神経)」に伝わって勃起が生じます。

反射性勃起

反射性勃起は物理的な刺激による勃起です。ペニスに触れたり、乗り物などで微妙な振動を受けたりするなど、物理的な刺激を受けることで反射的にペニスの「陰茎海綿体」が血液で満たされ、勃起が生じます。

勃起のメカニズム

①性的な刺激によって大脳が興奮すると、その興奮は脊髄を通って勃起中枢に伝わり、さらにペニスの陰茎海綿体の神経に届きます。すると、海綿体の中で「一酸化窒素」が放出されて血管や筋肉に作用し、「サイクリックGMP」という物質が増えます。

②このサイクリックGMPが増えると、海綿体の筋肉が緩んで血管が拡がり血液が大量に流れ込むので、スポンジ状の組織である海綿体に血液が充満します。こうして、下方に垂れていたペニスは硬く大きくなって、起ち上がったような状態になるのです。

③ある程度血液が流入すると、海綿体の静脈が圧迫されて塞がります。これにより、血液の流出が防がれ、勃起を維持できるようになります。

このように、正常な勃起を促すためには、性的な刺激を感じる「脳」、脳で受けた刺激を伝達する「神経」、さらに陰茎海綿体の血流を確保する「血管」、勃起状態を維持する「海綿体(ペニス)」の4つの器官が正常に機能することが必須条件となります。