淋菌感染症(淋病)は、あらゆる性行為(セックス・アナルセックス・オーラルセックス)により感染する病気で、ナイセリア・ゴノレア(淋菌)という病原体により感染します。性器だけではなく、オーラルセックスにより咽頭(のど)へも感染します。淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅します。したがって、性交や類似行為以外で感染することは稀(まれ)であるとされています。よく耳にする話では、性風俗でのオーラルセックスによる感染が最も多いと言われています。
症状
男性の症状
男性が主に感染するところは尿道で、尿道炎や精巣上体炎(副睾丸炎)などの病気になることがあります。
細かな症状としては、排尿時の焼けるような痛みと、ペニスからの白色か、黄色か、緑色をした分泌物が比較的大量に認められますさらに、睾丸が腫れて痛みをともなう場合があります。
女性の症状
女性の場合は、子宮頸管 (子宮入口の管)へ感染し、子宮頸管炎をおこします。その後、腹腔内に進入し、骨盤内で様々な症状が出ます。
主な症状としては、おりものの増加や、意図しない出血、下腹部の痛み、性交時の痛みがあります。ただし、女性の半数以上が全く症状を感じないと言われており、感染したまま放っておくと卵管炎をおこし、 子宮外妊娠や不妊症の原因にもなります。性器クラミジア感染症と同じような症状ですので、自身による判断は非常に困難とされています。
口腔の症状
オーラルセックス(フェラチオ)やクンニなどにより、咽頭(のど)に淋菌感染症が起こることがあります。
主な症状としては、のどの腫れや痛み・発熱などがあげられ、風邪と似た症状になり気付かない事が多いのですが、症状が出ない場合も多く、淋菌に感染している男女の30%は咽頭から淋菌が検出されたとの報告もあります。性器感染に比べ、治療に時間がかかるといわれています。
性器への感染と咽頭の感染は、感染部位が違うため別のものとなります。よって、咽頭だけ感染することもあります。
治療方法
専門医に出向き、1~7日間、筋肉注射や静脈注射などを症状に応じて実施します。一回の注射で済む場合もあります。
注射や薬などにより症状が緩和されても、不完全な完治となっている場合が多いので自身の判断で完治したと思わず、再検査を受けるようにしましょう。